因果関係とは何か - 第0回 -
仕事柄「統計解析や機械学習が提示できるのは基本的に相関関係であって、因果があるかどうかは判らないのです」ということをよく口にしたり耳にしたりする訳ですが、「では相関と因果は一体何が違うのか?」というのを改めて考えると、両者の違いを区別する条件を明確に理解出来ている訳ではないことに気が付きました。以下のようなケースは、相関があっても因果ではない状況の「事例」としてよく紹介されています。
- 因果の向きが逆
- 上流に共通の要因がある
- 合流点でデータ選定がなされている
- 単なる偶然
しかし、だとすると「因果関係」の定義はなんなのでしょう?数学的にどのような条件を満たしていれば、それは因果関係であるということが出来るのでしょうか?この素朴な疑問について、最初は今時ググればすぐに見つかるだろうと思いながら色々と調べてみたのですが、意外なことに今の所その答えを見つけられていません(もしもご存知の方がいらっしゃったらコメント頂けますと嬉しいです。)。私の興味は以下の2つです。
- 「因果関係」の定義は何か?
- その定義に合致するデータを、統計解析や機械学習によって抽出することは可能か?
これらが既に解明されている問題であるのかどうかを知らないのですが、分野としては「統計的因果推論」というものが近そうなので、この学問分野について深く知りたくなりました。入門として、以下の教科書が比較的読み易そうだったので(しかも新しいですね!)、今後数回に渡って本書の要約を書いていきたいと思います。
- 作者: 黒木学
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2017/08/24
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る