この世の色々な法則を探求するブログ

「この世界はこういう仕組みで成り立っている」という真理に思い焦がれつつ、死ぬまでに1つでも多くの法則を理解・発見するために日々生きております。これまで生業として来た物理学、数学、人工知能などの分野を中心に、日々の考察日記を綴っていきたいと思います。

既知の科学的真理を体系立てて整理するプラットフォームを作りたい

 前回のエントリーでお金や産業の発展のために「役に立つ発見をする」コミュニティではなく、純粋に人々の知的好奇心を満足させることを目的として「科学的な真理を探究する」コミュニティを作れないか、という話を書きました。因みに「科学的」とわざわざ書いているのは決して「哲学を含まない」ということを言いたいのではなく(寧ろ積極的に含めたい)、単に「真理」と書くとカルト宗教的な話と勘違いされそうだからです・・・。話を元に戻すと、仮にこのようなコミュニティが出来たとして、明らかに足りないなと思うのが、この活動を行うためのプラットフォームです。まさにこのエントリーを追加する「はてなブログ」というプラットフォームがあるように、「科学的な真理」を追記・蓄積・共有するためのプラットフォームが必要だと思うのです。どのようなものかイメージが湧きにくいと思いますので具体的な例を挙げます。例えば僕は大学院時代に物性理論の研究室で「強相関電子系」という分野の研究をしていました。恥ずかしながら当時は(いえ実は今でもなのですが・・・)この強相関電子系、もっと大きくは「物性物理学」という分野が全体として究極的には「何が判ることをゴールとして」研究しているのかが良く理解出来ないままに研究をしていました。それでも目の前の問題を考えること自体が楽しくて仕方なかったので脇目も振らず夢中になって研究をしていましたし、何よりアカデミックな世界に進むことを考えていたのでとにかく目の前のテーマで実績を上げなくてはという若干の焦燥感もありました。しかし、もしも仮にお金のことを全く気にせず、純粋に知的好奇心を満たすことだけを目的として活動するコミュニティがあったとすると、そこではこの「最終的に何を明らかにすることがゴールなのか」は極めて重要になると思います。なぜならばお金の縛りがなくなった場合、次に有限で貴重な資源となるのは「時間」だからです。科学はどんなテーマであれ、深く掘り下げていくと好奇心をくすぐられるものが必ずあります。しかし人生は限られています。全てのテーマを掘り下げ尽くすことは不可能です。なので有限な人生の中で、自分が本当に知りたいことは何なのか?をよくよく見極めてから掘り下げることは非常に重要だと思います。なので、コミュニティに属する人が以下のことを自由に、簡単に行えるプラットフォームが必要になってくるのではないかと思っています。

  • 科学全体としてどんな真理を発見しようとしているのかを俯瞰することができる
  • 個々の真理についてどのくらい研究が進んでいるのかを俯瞰することができる(例えばエントリ数の多さなどから)
  • 個々の研究テーマが全体のどこを解明しようとしているのかの位置付けを確認することができる
  • 既知のエントリ(=研究成果)が全体のどこを解明したことに相当するのかを確認することができる
  • 全体を俯瞰した上でもっと深く知りたい、掘り下げたいと思ったテーマについて既知のエントリを調べることが出来る
  • 既存の研究テーマ(発見しようとしている真理)の中に、自分が知りたいと思うものがなければ追記出来る
  • 既知の研究成果で未登録のものがあれば追記出来る
  • 自分で新規の発見をした場合には追記出来る
  • 誤っていると思われる記述がある場合には修正することが出来る

 イメージとしてはWikipediaのようなもので、それをもっと目的志向にしたものでしょうか。イメージ図はざっくり↓のような感じです。(こういう絵を描くと自分のレベルがいかに低いかが露呈してしまうのであまり書きたくないのですが、今更隠しても仕方ないのでもはや開き直ります。)みんなで成長させていく「科学の真理の木」みたいなイメージでしょうか(木が表現方法として適切かはさておき、こうやって全体を整理するフレームワークということです。)。こういうものがあったらいいなぁと。
f:id:tetsu_dirphys:20180122230608j:plain

 少し話が脇道にそれますが、このようなプラットフォームは本来であれば現状のアカデミックな世界で既に構築されていても良いような気がするのですが、何故存在しないのでしょうね?もしも僕が薄学なために知らないだけであるとすれば何卒ご教示頂けますと大変助かります。

 とにもかくにも、現状このようなものが見当たらず、僕が趣味で勉強・研究する上でもこういうのがあるといいな(ないと困るな)と思うので、まずは僕一人の知識の範囲内で作れる部分を作ってみようかと思っています。と思いましたが、仲間がいた方がモチベーションが上がるので、前回のエントリーに書いた学友のT君を年明け早々から道連れにさせて頂きました(笑)。また進展があったら書きたいと思います。