この世の色々な法則を探求するブログ

「この世界はこういう仕組みで成り立っている」という真理に思い焦がれつつ、死ぬまでに1つでも多くの法則を理解・発見するために日々生きております。これまで生業として来た物理学、数学、人工知能などの分野を中心に、日々の考察日記を綴っていきたいと思います。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方(佐藤 航陽さん)

「やりたいこと」があるのに「やらなければならないこと」を優先してしまうことに悩んでいる人におすすめ

この本を読む以前、ホリエモンこと堀江貴文さんの本などを何冊も読む中で、「やりたいことをやればいい」「役に立つかどうかわからないことでも没頭してやっていると、そのうちそれが仕事になる」と何度背中を押されても、結局その一歩を踏み出すことが出来ずにいました。それはやはり「やらなければならない(と自分で思い込んでいる?)こと」をやらないことのリスクをどうしても恐れてしまう自分がいるのと、「没頭してやっているとそれが仕事になる」ことをリアリティを持ってイメージ出来なかったからではないかと思います。この本を読んで、「やらなければならないこと」だけをやり続けることこそが逆にリスクになること、今後は「役に立たない(お金にならない)」ことこそが価値に成り得ること、をリアリティを持ってイメージすることが出来ました。特に「やりたいことで今すぐ稼げなくても大丈夫なんだ」と自信を持って思えるようになったのが大きな収穫でした。これまで「やりたいこと」について考える際、どこかで「それで稼げるか?」ということが脳裏をよぎり、本当に自分のやりたいことが無意識に歪められる結果、ハマるほど没頭できずにいたのだということに気が付きました。まずは一銭も稼げなくても良いので、素直に自分が元来やりたいと思っていたこと(純学問的な探求)をすることにしました。もしも同じような悩みを抱えられている方がいらっしゃったら、是非一度読んでみることをお勧めします。

理系で、「経済って何度勉強しても今一つ理解できた気にならない」という人におすすめ

この本は経済の本ではなく「サイエンス」の本だと思いました。佐藤さんの「仮説を立てて実際の事業で実験して検証する」ことを繰り返し、そこから普遍的な「法則」を導き出す、というのは自然科学のアプローチそのもので、数学・物理的な物の見方に頭が偏ってしまっている自分にとっては非常に理解し易く、かつどこか美しさを感じる内容でした。そしてそこから導き出された法則は、量子論的世界観を知った時と同じような衝撃を持って自分の世界観を(もちろん良い意味で)変えてくれました。

今のお金や資本主義のシステムにどこか疑問を感じている人におすすめ

実はこの本を読む少し前から、今のお金や資本主義のあり方はそろそろ時代遅れになりつつあるのではないか?ということを考えていました。今、自分が買いたいと感じるのは物よりもサービスの方が圧倒的に多い感覚があるのですが、一方で売る側としてはサービスの方が本質的に利益を上げにくい構造になっているのではないかと感じていました。それは資本主義が元々モノづくりを背景として発展したから、物売りに適したシステムになっているのではないかな、ということを漠然と考えていました。そんな折に丁度タイムリーにこの本に出会い、「価値のコモディティ化」と「資本主義から価値主義へ」という2つの考えによって、今まで自分がモヤモヤと考えていたことを見事に整理して、目の前の霧を晴らしてもらえたように感じました。

以上、ここ最近読んだ本の中ではダントツの良著でした。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)